30.2.6 適正な労災保険の適用と適正な労災保険加入の促進

形式的には一人親方でも、実態として労働者である場合は、                    労働者として労災保険の適用を行う必要があります。

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一人親方との契約が「雇用契約」ではなくても、働き方が労働者と同様と判断された場合、その方は労働者として取り扱われます                      

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したがって事業者が、労災保険の加入手続きを行う必要があります。(※)労働者かどうかの判断についてご不明な場合は、お近くの労働基準監督署にご相談ください。

~適切な労災保険の適用にご協力ください~

 労災保険は、労働者の保護を図るための制度であり、適切な保険の加入が必要です。形式上は「請負」や「委任」の契約形態となっていても、実態として労働者と同様の働き方をする場合には、一人親方とは扱われません。

 その場合には、個人で労災保険の特別加入をするのではなく、直接発注を受けた事業者が使用する労働者として、事業主が労災保険の加入手続きを行う必要があります。

適切に労災保険料が納付さえrていない場合には、事業主に、追徴金や給付された費用の徴収を行う可能性があります!

一人親方の労働者性が認められる具体例

 大工募集の広告を見て面接を受け、大工としてA社と「請負契約」を結んだXさんの働き方は以下のようなものでした。

① A社との請負期間中に他社の仕事をしたことはありませんでした。           ② A社の現場では大工職人としての仕事のほか、ブロック工事など他の仕事にも従事していま         した                                         ③ 勤務時間の指定はありませんでしたが、朝7:30に事務所で仕事の指示を受け、事実上  17:30まで拘束され、それ以降の作業には手当が支給されました。             ④ 現場監督からの報告・指示によって、A社から指揮監督を受けていました。       ⑤ 大工道具はXさん自身の所有物でしたが、必要な資材等の調達はA社が負担していました。 

                                    

 このケースでは、XさんとA社の間には実質的な使用従属関係があったと認められ、XさんとA社の間の契約は「労働契約」であると認定されました。この場合、Xさんは労働者として、A社の労災保険の適用を受けることになります。

            適切に労災保険に加入していないと                       

           事業主への保険料の遡及・追徴金の徴収  

事業主が労災保険料等の納付を怠っていた場合には、最大2年間(3年度分)をさかのぼって保険料の徴収を行い、併せて保険料の10%を追徴金として徴収します。

            給付された費用の徴収

 事業主が「故意」または「重大な過失」により労災保険の加入手続きを行わないときは、療養を開始した日(即死の場合は事故発生日)の翌日から3年以内に給付された労災給付の、全部または一部を事業主から徴収します。                           ※療養補償給付および介護補償給付は除きます。

労災保険の加入手続きを行わない期間中に、業務災害や通勤災害が発生した場合       1:行政機関から支合などを受けたにもかかわらず、労災保険の加入手続きを行わない場合  ⇒事業主が「故意」に手続きを行わないものと認定し、当該災害に関して支給された保険給付額の100%を徴収します。                                 2:1には該当しないもの                                労災保険の適用事業となった時から1年を経過してなお手続きを行わない場合        ⇒事業主が「重大な過失」により手続きを行わないものと認定し、当該災害に関して支給された保険給付額の40%を徴収します。                            ※労災保険の適用事業となった時とは、労働者を1人でも雇い始めたときを指します。

労災保険で受けられる主な給付一覧                           療養補償給付―無料で治療が受けられます。                       休業(補償)給付―仕事に行けない日は給料の約8割をお支払いします。           障害(補償)給付ー障害が残った場合、年金または一時金をお支払いします。        介護(補償)給付ー介護を受けている場合、その費用をお支払します。           遺族(補償)給付ー亡くなられた場合、遺族の方に年金または一時金をお支払いします

「労災保険」は仕事上や通勤によるケガや病気に対して、必要な保険給付を行う制度です。